
子どもの骨折の中でも特に多いのが「鎖骨骨折(さこつこっせつ)」です。
転倒やスポーツ中の接触など、日常生活の中でも起こりやすいケガの一つです。今回は、子どもの鎖骨骨折について分かりやすく解説します。
■ 鎖骨骨折とは
鎖骨は、胸の中央(胸骨)から肩(肩甲骨)をつなぐ細長い骨で、上肢の動きを支える重要な役割を持っています。
子どもは骨が柔らかく、強い衝撃を受けると簡単にひびや折れが起こってしまうことがあります。
■ 原因
子どもの鎖骨骨折の主な原因は以下の通りです。
- 転倒して肩から地面にぶつけた
- スポーツ(サッカー・バスケット・自転車など)中の衝突
- 手をついて倒れたときの衝撃
特に走る・跳ぶ動作が多い年代では頻発します。
■ 症状
- 肩を動かすと痛い
- 鎖骨の部分が腫れている、変形している
- 肩が下がって見える
- 腕を動かそうとしない(動かすと痛むため)
骨折の位置によっては骨の端が皮膚の下で盛り上がるように見えることもあります。
■ 診断
レントゲン撮影によって骨折の有無や位置、ずれの程度を確認します。
子どもの場合は「若木骨折」といって、骨が完全に折れずにしなったような状態になることもあります。
■ 治療
多くの子どもの鎖骨骨折は手術をせずに保存療法(自然治癒)で治ります💪
主な方法は次の通りです!
- 三角巾やバンドで腕を吊って固定
- 安静期間はおおよそ 2〜4週間
- 痛みが軽くなれば徐々に腕を動かし始める
骨の再生力が高いため、多少ずれていても自然に整って治ることが多いです。
■ リハビリ・治癒後の注意点
固定期間が終わった直後は、肩周りの筋肉がこわばって動きが制限されていることがあります。
当院では以下のようなリハビリを行っています。
- 固定後の可動域訓練(ストレッチや肩回し)
- 肩甲骨周囲や体幹の筋力トレーニング
- 痛みや動かしにくさに対する手技療法や物理療法
無理に動かすと再骨折のリスクがあるため、医師や施術者の指示に従って段階的に行うことが大切です。
■ 早期回復のために
- 固定中も指や肘の運動を続けて血流を促す
- 食事でカルシウム・ビタミンDを意識して摂る
- 再発を防ぐために体幹やバランス能力のトレーニングを行う
■ まとめ
子どもの鎖骨骨折は比較的多いケガですが、適切な固定とリハビリによって多くは後遺症なく回復します。
「痛みが長引く」「肩の動きが悪い」などの症状がある場合は、早めにご相談ください。
鍼灸師:渡部 創太(わたべ そうた)
自己紹介:自身のサッカー経験で培った身体の知識と、トレーナーの方々から学んだ専門的な技術を活かし、患者様一人ひとりの痛みや悩みに真摯に寄り添い、根本的な問題解決を目指します。身体機能の回復だけでなく、精神的なサポートも重視し、患者様が心身ともに健康な状態で日常生活を送れるよう、全力でサポートいたします。
保有国家資格: 鍼灸師
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