
「肩が痛いだけでなく、腕の方までズキズキする」
そんな症状でお悩みの方は多いと思います。
肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)は、肩の動かしにくさや夜の痛みだけでなく、
上腕(腕の外側から肘の少し上)にまで痛みが広がることがあります。
今回は、その原因と整骨院での治療法について解説します。
肩関節周囲炎とは
肩関節周囲炎は、肩の関節を包む「関節包」や、筋肉と骨をつなぐ「腱板」、
さらに「滑液包」などの組織に炎症が起きることで発症します。
加齢や血流不足、姿勢の崩れ、使いすぎなどがきっかけで炎症が始まり、
肩の動かしにくさや強い痛みを引き起こします。
なぜ上腕まで痛みが出るのか
肩の炎症なのに、なぜ腕の方まで痛むのか。
その理由はいくつかあります。
1. 炎症が広がるため
肩の炎症が、関節周囲の筋肉(特に三角筋)や上腕部にまで波及し、
肩の外側から腕にかけて重だるい痛みを感じることがあります。
2. 筋肉の緊張と血流不足
痛みを避けて肩を動かさない状態が続くと、
肩から腕にかけての筋肉が硬くなり、血流が悪化します。
これにより、筋肉性の痛みがさらに加わります。
3. 神経の放散痛
肩〜腕には「頸椎神経(C5〜C6)」が通っています。
肩の炎症が神経に影響を与えると、腕の方まで痛みが広がることがあります。
よくある症状
- 肩を動かすとズキッと痛む
- 夜中にうずくような痛みで目が覚める
- 腕を下げていても外側が重だるい
- 髪を結ぶ、服を着替える動作がつらい
これらが当てはまる場合は、肩関節周囲炎の初期〜中期に当たる可能性があります。
治療法と整骨院でのアプローチ
肩関節周囲炎は、進行段階によって治療の目的が変わります。
大きく「急性期」と「慢性期」に分けて対応していきます。
急性期(痛みが強い時期)
炎症が中心のため、無理に動かさず、安静を保つことが大切です。
- アイシング(1回15分を目安に、1日数回)
- 微弱電流や超音波による炎症抑制
- 鍼治療による鎮痛と血流促進
- 枕やタオルで腕を支え、夜間の痛みを軽減
この時期は、強いストレッチやマッサージは逆効果になることもあるため注意が必要です。
慢性期(痛みが落ち着いた時期)
炎症が治まってきたら、今度は関節の可動域を取り戻していきます。
- 温熱療法(ホットパックや入浴で血流改善)
- 肩甲骨・肩関節のストレッチ
- 鍼や手技による筋膜リリース
- 自宅でのタオル体操や軽い運動
肩甲骨の動きを出すことで、肩関節への負担が減り、動かしやすさが戻っていきます。
放置すると「凍結肩」に進行することも
肩関節周囲炎を放置してしまうと、関節が固まってしまう「凍結肩(拘縮肩)」になることがあります。
この状態では痛みは落ち着いても、肩が上がらない・回らないといった可動域制限が長期間続くことがあります。
早めに治療を始めることで、回復までの期間を短くすることができます。
まとめ
肩関節周囲炎では、肩の炎症や筋肉の緊張、神経の影響によって、
上腕まで痛みが広がることがあります。
整骨院では、痛みの時期や状態に合わせて
電気治療・鍼灸・手技療法を組み合わせ、炎症を抑えながら動きを取り戻していきます。
「肩が痛いのに腕まで重い」「夜にズキズキして眠れない」
そんな症状がある方は、早めにご相談ください。
自己紹介:幼少期から体操競技に打ち込む中で、数多くの怪我を経験し、その度にトレーナーの方々の献身的なサポートに救われました。この経験から、私も同じように苦しむ方々の力になりたいと強く思い、この業界を目指すことを決意いたしました。自身の競技経験で培った身体への深い理解と、トレーナーの方々から学んだ知識・技術を基に、患者様一人ひとりの症状に真摯に向き合い、最適な治療を提供いたします。身体機能の回復はもちろんのこと、患者様の心のケアも大切にし、寄り添う治療を心がけております。 保有国家資格: 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師:上野 七海(うえの ななみ)
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