猫背が頸部に与える負担とは? 〜首の痛みや不調の原因に〜

現代社会では、スマートフォンやパソコンの使用が増え、多くの人が「猫背」になりがちです。猫背は姿勢の悪化だけでなく、頸部(首)への負担を大きくし、慢性的な痛みや不調を引き起こす可能性があります!

猫背とは?

猫背とは、背中が丸まり、頭や肩が前方に突き出た姿勢のことを指します。大きく分けて以下のようなタイプがあります。

1. 円背型(背中が丸まるタイプ)

• 背骨の自然なS字カーブが崩れ、背中が大きく後方に丸まる。

• 長時間のデスクワークや加齢による筋力低下が原因になりやすい。

2. 前肩型(肩が前に出るタイプ)

• 肩が前方に巻き込み、胸が縮こまる。

• 長時間のスマホ・PC使用、筋バランスの崩れが原因。

3. 前方頭位型(頭が前に出るタイプ)

• 首が前方に突き出し、ストレートネックになりやすい。

• スマホの長時間使用(スマホ首)、不良姿勢が原因。

4. 骨盤後傾型(骨盤が後ろに倒れるタイプ)

• 骨盤が後ろに傾き、腰や背中が丸まる。

• 長時間の座り姿勢や運動不足による体幹の弱さが原因。

多くの場合、これらのタイプが複合的に組み合わさって猫背の状態を作り出します。

猫背が頸部に与える負担とは?

猫背の姿勢では、頭が前に突き出る「前方頭位」になりやすくなります。通常、頭の重さは約5〜6kg程度ですが、前に傾く角度が増すほど、首にかかる負荷が増大します。

例えば、

15度前傾:約12kg

30度前傾:約18kg

45度前傾:約22kg

60度前傾:約27kg

60度の傾きでは、首に27kgもの負荷がかかる計算になります。これは、ボウリングのボールをずっと首で支えているような状態です。このような負担が続くと、首や肩の筋肉が緊張し、痛みやコリが生じやすくなります。

猫背による頸部の不調

首や肩のこり・痛み

前方頭位になると、首の後ろ側の筋肉が常に引っ張られた状態になり、緊張が続きます。その結果、慢性的なコリや痛みが発生します。

ストレートネック

通常、頸椎(首の骨)は緩やかなカーブを描いていますが、猫背の影響でまっすぐになってしまうことを「ストレートネック」と呼びます。ストレートネックはクッションの役割を果たす頸椎の機能を低下させ、首にかかる負担がさらに増します。

頭痛・めまい

首の筋肉が緊張すると、血流が悪化し、脳への血流が低下することがあります。これが原因で、緊張型頭痛やめまい、集中力の低下を引き起こすことがあります。

神経圧迫によるしびれ

猫背が進行すると、頸椎の間の神経が圧迫され、手や腕にしびれが出ることがあります。これを「頸椎症性神経根症」と呼び、悪化すると日常生活にも支障をきたすことがあります。

猫背による頸部への負担を軽減する方法

正しい姿勢を意識する

耳・肩・骨盤が一直線になる姿勢を意識する。

• パソコンやスマートフォンを使う際は、画面を目の高さに調整し、前かがみにならないようにする。

首・肩周りのストレッチ

首の側屈ストレッチ(首を左右にゆっくり倒す)

肩甲骨のストレッチ(肩を回したり、胸を開く動作をする)

僧帽筋のストレッチ(首を斜め前に倒しながら軽く押さえる)

筋力トレーニングで姿勢改善

首を支える筋肉(深層筋)を鍛えるトレーニング

肩甲骨周りの筋肉を強化するエクササイズ(例:肩甲骨を寄せる運動)

鍼灸治療も有効!

猫背による頸部の負担を軽減するためには、鍼灸治療も効果的です。

筋肉の緊張を和らげる鍼によって首・肩の緊張した筋肉を直接緩め、血流を改善。

自律神経を整える鍼灸にはリラックス効果があり、交感神経の過剰な興奮を抑えてリラックスしやすくなる。

痛みを軽減する鍼刺激により、脳内でエンドルフィン(天然の鎮痛物質)が分泌され、痛みの緩和が期待できる。

当院では、手技療法、物理療法、筋力トレーニングに加えて、鍼灸治療も取り入れ、猫背による不調を改善へと導きます。

まとめ

猫背が続くと、首に大きな負担がかかり、慢性的な痛みや不調を引き起こす可能性があります。日頃から正しい姿勢を意識し、ストレッチや筋力トレーニングを取り入れることで、頸部への負担を軽減できます。

また、鍼灸治療は猫背による筋肉の緊張や痛みを和らげるのに効果的です。首や肩のコリ、ストレートネック、しびれなどの症状が気になる方は、早めにケアを始めましょう。

当院では、一人ひとりに合わせた施術を行い、猫背による不調の改善をサポートします。お気軽にご相談ください!

 

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太陽鍼灸整骨院

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